SHOULDER CARE / 四十肩・五十肩
「骨に異常はない」と言われた
四十肩・五十肩の痛み
湿布と痛み止めだけで良くなるの?
大切なのは、今の肩の状態に合った対応を選ぶことです。
この記事で分かること
- 骨に異常がなくても、痛みが出る理由
- 痛みと硬さの変化に合わせた対応
- 「腕を上げる」以外に確認したい動き
01 / 痛みの背景
骨に異常がなくても、肩は痛むことがあります
レントゲンで分かるのは、主に骨の状態です。肩を包む関節包や、腱などの軟らかい組織の状態は、レントゲンだけでは十分に分かりません。
五十肩と呼ばれる状態の一つに、肩の関節包が厚く硬くなる「凍結肩」があります。ただし、肩の痛みがすべて凍結肩とは限りません。いつから、どんなときに痛むか。どの方向に動かしにくいか。画像だけでなく、経過と動きを合わせて確認します。
湿布や痛み止めの役割は?
痛みをやわらげるために役立ちます。動かしにくさには、状態に合わせた運動なども組み合わせて対応します。薬と運動、それぞれの役割を考えることが大切です。
02 / 経過と対応
時期に合わせて、動かし方を変えます
凍結肩の経過は、大きく3つの時期で説明されます。痛みが軽くなっても、硬さが残ることがあります。
痛みと硬さは、同じようには変わりません。
今の症状を確認しながら、対応を調整します。
01 / 炎症期
痛みを増やさない
痛みが強く、動かしにくさも出始める時期。強い痛みを我慢して伸ばさず、負担の少ない姿勢や動かせる範囲を探します。私の施術でも、肩甲骨や背中を含め、痛みを増やさない関わりを優先します。
02 / 拘縮期
硬さに合わせて、動きを戻す
痛みは軽くなる一方、硬さが目立つ時期。肩の動きを評価し、ストレッチや運動、必要に応じた徒手療法を組み合わせます。運動後や翌日の反応も確認して、負荷を調整します。
03 / 回復期
戻った動きを、日常で使う
痛みや硬さが徐々にやわらぐ時期。動かせる範囲だけでなく、その範囲で力を出す練習も進めます。髪を洗う、服を着るなど、生活で必要な動きにつなげます。
時期の境目や経過には個人差があり、年単位でかかる場合もあります。痛みの出方だけで病期を決めず、動きやこれまでの経過も合わせて評価します。
03 / 今日からできること
まず、痛みが出る場面をメモしてみてください
診察や相談で伝えられるように、次の3つを記録しておくと役立ちます。自分で病期を決めるためのチェックではありません。
- じっとしていても痛いか、動かすと痛いか
- 夜、痛みで目が覚めるか
- 着替えや洗髪など、どの動作に困っているか
夜に痛むときの姿勢
痛い側を下にして寝ることは避け、あお向けでは腕の下にタオルやクッションを入れて支えてみてください。痛みが増える場合は、その姿勢を続けないようにします。
運動は強い痛みを我慢して行わず、内容や量を医師・理学療法士と相談してください。動作時の痛みや動かしにくさが続く場合は、リハビリのある整形外科などで評価を受けましょう。
04 / 見落としたくない動き
「上がる」に加えて、「ひねれる」も確認
肩を上げる動きが戻っても、ひねる動きが取り残されていることがあります。
外旋・内旋は、肩で上腕をひねる動き
まずは、腕を下げた位置(1st)の例で見てみましょう。
肘を体の横に置いて90度曲げると、前腕の向きで違いが分かります。肘の位置を保ちながら、前腕が体の外側へ向かうのが外旋、お腹の方へ向かうのが内旋です。

外旋:前腕を体の外側へ
内旋:前腕をお腹の方へ
動くのは肩の関節です。手のひらだけを返したり、手首を回したりする動きとは異なります。
腕の位置を変えて、ひねりを確認します
私は、腕を下げた位置・横に90度挙げた位置・体の前に90度挙げた位置で、外旋・内旋を確認します。下の図は、その3つの位置を示しています。
1st:腕を下げる / 2nd:横に90度 / 3rd:前に90度
上腕の位置を変えて、ひねる動きを確認します。
同じ外旋・内旋でも、上腕の位置が変わると、前腕が動く方向の見え方も変わります。2nd・3rdの動きは、下の説明を開いて確認できます。
2nd:横に90度挙げた位置
外旋・内旋の動き
前腕を前に向けた位置から、外旋では上へ、内旋では下へ回します。肘は肩の高さに保ちます。
3rd:前に90度挙げた位置
外旋・内旋の動き
前腕を上に向けた位置から、外旋では体の外側へ、内旋では内側へ傾けます。肘は体の前に保ちます。
こうして腕の位置を変え、どの位置でひねりにくいかを確認します。
動く範囲と、自分で動かす力は別
もう一つ大切なのは、「動かせる範囲がある」ことと「その範囲を自分の力で動かせる」ことの違いです。ほかの人に動かしてもらうと入る範囲でも、自分では動かしにくいことがあります。
評価で大切にしている3つのこと
- 上げる動きに加えて、ひねる動きも確認する
- 肩甲骨や背中を含め、動きのつながりを見る
- 今の状態と、運動を選ぶ理由を説明する
05 / ME RIGHTの関わり方
評価から、自宅で続けられるケアまで
通院している時間は、1週間のうちのほんの一部です。院での関わりを、家でも続けられる形につなげることを大切にしています。
- 01
状態を評価する
痛みの経過、肩の動き、筋力、日常で困る動作を確認します。
- 02
今の状態を説明する
評価で分かったことと、何から始めるかを一緒に整理します。
- 03
施術・運動を組み立てる
痛みや硬さに合わせて方法を選び、反応を見ながら調整します。
- 04
自宅で続けられる形にする
生活の中で実践できるケアをお伝えし、自分で取り組めることを増やします。
Q&A
よくある質問
骨に異常がないのに、なぜ痛いのですか?
レントゲンだけでは、関節包や腱などの軟らかい組織の状態は十分に分かりません。肩の痛みには複数の原因があるため、症状の経過と動きを合わせて確認します。
動かした方がいいですか?
痛みの強さや動かせる範囲に合わせて調整します。強い痛みを我慢して動かすのではなく、医師や理学療法士と運動の内容・量を相談してください。
湿布や痛み止めは役に立ちますか?
痛みをやわらげるために役立ちます。動かしにくさに対しては、状態に合わせた運動なども組み合わせて対応します。薬の使い方は医師に相談してください。
どれくらいの期間がかかりますか?
経過には個人差があり、改善まで年単位でかかることもあります。短期間で動きを取り戻そうと無理をせず、痛みや動きの変化を確認しながら進めます。


